遺品整理で古い通帳を見つけたら、すぐに銀行へ連絡する前に、通帳の情報と支払い状況を控えます。最初に見るのは口座情報、残高と最終取引日、引き落としの3点です。
銀行が名義人の死亡を把握すると、原則として入出金や引き落としが制限されます。連絡を遅らせるためではなく、凍結後に困らないよう、手元で分かる情報を先に整理しておくことが大切です。
一方で、相続人の合意なく勝手に引き出すと、使い込みの疑い、遺産分割のもめごと、相続放棄への影響につながることがあります。急ぎの支払いがある場合も、取引金融機関に制度と必要書類を確認して進めます。
古い通帳を見つけた直後は、銀行連絡前に3点を控える
通帳を見つけたら、捨てる前に表紙や最終ページを確認し、銀行名、支店名、口座番号、名義をメモします。キャッシュカード、印鑑、証券、保険証券などが同じ場所にないかも一緒に確認します。
- 銀行名・支店名・口座番号
- 残高と最終取引日
- 故人名義で引き落とされているサービスの有無

特に公共料金、携帯電話、クレジットカード、保険料などは、口座凍結後に引き落としが止まることがあります。請求書や明細が残っていれば、どの支払いを名義変更・支払先変更するかも控えておきます。
口座凍結は銀行が死亡を把握した後に始まる
金融機関の相続手続きでは、名義人が亡くなったことを銀行が把握した後、預金の引き出しや振り込み、口座振替などが制限されます。市区町村へ死亡届を出しただけで、すべての銀行口座が一斉に凍結されるわけではありません。
ただし、銀行へ相続の連絡をした後は、通常の生活費のように自由に動かすことはできません。連絡前に確認する目的は、口座を隠すことではなく、凍結後の手続きに必要な情報を家族で共有するためです。
勝手に引き出さないことも重要です。相続人の一人が自己判断で預金を動かすと、後から他の相続人に説明しにくくなります。葬儀費用や医療費など急ぎの支払いがある場合は、遺産分割前の相続預金の払戻し制度を銀行に確認します。
古い通帳でも休眠預金として確認できる
古くても捨てないことが大切です。古い通帳だからといって、残高がゼロになっているとは限りません。長く取引がない預金は休眠預金として扱われることがありますが、金融庁の案内では、10年以上取引がない預金でも元の取引金融機関で引き出しできる場合があります。
通帳が古い、支店名が変わっている、銀行が合併しているといった場合も、捨てずに銀行名や口座番号を控えて照会します。通帳だけで判断できないときは、本人確認書類や戸籍関係の書類が必要になるため、取引金融機関に確認します。
休眠預金かどうかを調べる段階でも、相続人の間で情報を共有しておくと安心です。誰が照会したか、どの銀行に連絡したか、回答内容はメモに残しておきます。
相続手続きに進むときの書類と相談先
必要書類は状況ごとに変わります。預金相続では、遺言書の有無、遺産分割協議書の有無、相続人の人数で確認書類が変わります。全国銀行協会も、具体的な書類は金融機関や相続状況により異なると案内しています。
| 状況 | 主に確認する書類 | まず確認する相手 |
|---|---|---|
| 遺言書がある | 遺言書、戸籍、印鑑証明など | 取引金融機関 |
| 遺産分割協議書がある | 協議書、戸籍、印鑑証明 | 銀行と相続人 |
| 協議がまだ | 相続人関係が分かる戸籍 | 銀行、司法書士など |
| 急ぎの支払いがある | 払戻し制度の案内書類 | 銀行に上限と書類を確認 |
戸籍の取り寄せや相続人の確認に時間がかかることもあります。銀行で求められた書類が分からない場合は、金融機関の相続担当へ確認し、遺産分割や相続放棄に関わる判断は司法書士や弁護士などへ確認します。
通帳と一緒に残す情報を家族で共有する
通帳は、残高だけでなく故人の生活費や契約の手がかりにもなります。発見場所、照会先、保管者を同じメモに残すと、相続人同士の確認漏れを減らせます。
現金、貴金属、印鑑、権利証、保険証券などが一緒に見つかった場合は、通帳と同じく写真と保管場所を残します。誰か一人だけが持ち出すのではなく、相続人が確認できる形で保管します。
共有メモには、通帳を発見した日、発見場所、保管者、銀行へ連絡する予定日を入れておくと実務的です。相続人が遠方にいる場合は、写真を共有してから原本の保管者を決めます。
通帳発見後の次の行動を落ち着いて決める
古い通帳を見つけたときは、捨てない・引き出さない・共有することが基本です。確認順を決めれば、銀行へ連絡した後の凍結や相続手続きにも落ち着いて対応できます。
- 通帳情報、残高、最終取引、引き落としを控える
- 相続人で共有し、勝手な引き出しを避ける
- 取引金融機関に必要書類と手続きの流れを確認する
通帳の古さだけで価値を判断せず、休眠預金や相続手続きの対象になる可能性を確認します。迷う場面では、銀行に事実関係を伝え、法律上の判断は専門家に確認する形で進めると安心です。

