親族が亡くなり、部屋を片付けた後に「清掃はどこまでやってもらえるの?」と悩む方は少なくありません。
遺品整理を頼めば清掃まで全部お任せできると思っていたら、実は別料金だった。
国民生活センターも遺品整理サービスの契約トラブルについて注意喚起を行っており、費用の認識ズレは珍しいことではありません。
遺品整理に含まれる清掃の範囲、そして簡易清掃・ハウスクリーニング・特殊清掃の違いを整理します。
遺品整理の「清掃込み」は、何が含まれるか次第
遺品整理に清掃が含まれるかどうかは、契約内容によって変わります。
遺品整理の主な作業は、仕分け・搬出・処分が中心です。
整理後の清掃が含まれることもありますが、それがどのレベルの清掃なのかは業者やプランによって大きく異なります。
業界団体のガイドラインによると、「一式」「パック」といった料金体系でも、含まれる内容と含まれない内容を明記し、別途費用が発生するものには注記することが求められています。
パック料金だからといって、清掃まで全部込みとは限りません。
見積書に「清掃」と書かれていても、それがどのレベルを指すのかを必ず確認する必要があります。
簡易清掃・ハウスクリーニング・特殊清掃、何がどう違うのか
「清掃」という言葉は同じでも、内容は大きく3種類に分かれます。
| 種類 | 主な作業内容 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 簡易清掃 | ほこり除去・掃き拭きなど最低限の作業 | 遺品整理後の軽い汚れ、引渡し前の簡単な仕上げ |
| ハウスクリーニング | 水回り・床・窓など設備を含む専門的な清掃 | 売却前・賃貸退去時の原状回復 |
| 特殊清掃 | 体液・腐敗臭・汚染物の除去、消毒・消臭、建材撤去まで含む場合も | 孤独死・発見が遅れた場合など通常清掃では対処できない状態 |
特殊清掃が必要になるのは、腐敗臭が残っている、体液が床や壁に染みている、害虫が発生しているといったケースです。
専門業者によると、特殊清掃では壁紙の撤去や床の解体が必要になることもあり、一般的なハウスクリーニングとは作業の性質がまったく異なります。
こうした状態を通常の清掃業者に依頼しても、断られることがあります。
どの清掃が必要か、2つの視点で判断する
依頼すべき清掃の種類は「部屋の状態」と「作業の目的」で決まります。
まず部屋の状態を確認してください。
臭気・体液汚染・害虫の有無を確認し、少しでも該当するなら特殊清掃の対応が必要かを専門業者に現地で判断してもらうのが安全です。
自己判断で無理に入室したり、通常の清掃を進めたりすることは健康上のリスクを伴います。
次に、作業の目的を整理してください。
- 賃貸退去や売却前で原状回復が必要なら、ハウスクリーニング相当の清掃が求められる場合がほとんどです。
- 遺品を片付けた後の軽い仕上げが目的なら、簡易清掃で足りることもあります。
目的が整理できると、遺品整理業者だけで完結できるか、清掃は別途手配が必要かも判断しやすくなります。
見積りの段階で確認しておきたいこと
国民生活センターは、遺品整理サービスの契約トラブルについて継続的に注意喚起を行っています。
見積りと請求額の差異、追加費用の後出しは特に起きやすいトラブルです。
依頼前に確認しておきたいのは以下の3点です。
清掃の作業範囲を文面で確認する
「整理後の清掃込み」と書かれていても、それが簡易清掃なのかハウスクリーニングなのかを明示してもらいましょう。口頭だけでは後から食い違いが生じやすくなります。
追加費用が発生する条件を事前に知っておく
作業が始まってから「この部分は別途費用が必要です」となるケースが多いため、どういった場合に追加が発生するかを契約前に確認しておきます。
明細付きの見積書を受け取る
業界ガイドラインでも、見積書(施行明細書)の交付が求められています。「一式〇〇円」だけの見積りは内訳が不明なため、項目ごとの明細を求めることが大切です。
まとめ:清掃の「種類」と「範囲」を決めてから依頼を
遺品整理に清掃が含まれるかどうかは、業者や契約内容によって変わります。
「パックだから全部込み」という思い込みが、後のトラブルにつながるケースは少なくありません。
部屋の状態と作業の目的を整理した上で、簡易清掃・ハウスクリーニング・特殊清掃のどれが必要かを判断する。
そして見積りの段階で清掃範囲を明文化してもらう。
この順番で進めるだけで、費用の認識ズレや追加請求といったよくあるトラブルの多くは防げます。

